この記事では、ソーシャルスタイル理論に関する概要と、診断方法、診断結果について解説しています。
ソーシャルスタイルは職場でのコミュニケーションの仕方などに役立つ理論です。
記事を読むとソーシャルスタイルの全体像が手短にわかります。
ソーシャルスタイル理論とは
ソーシャルスタイル理論とはアメリカの産業心理学者、デイビット・メリル氏とロジャー・レイド氏が提唱した理論です。
コーチングでは似たようなもので「タイプ分け」というものがあります。
(このページでは表記統一のためソーシャルスタイルとして説明します)
ソーシャルスタイルモデルの目的は、コミュニケーションのスタイルを知ることで、 チームや自分自身のことを知り、互いのやり取りを円滑にするのを手助けすることです。
ソーシャルスタイルで提唱されるタイプは全部で4つあり、タイプごとに意思決定の仕方や、振る舞い、考え方が異なると言われています。
以下が4つのタイプの分類です。横軸に主張性(Assertiveness)、縦軸に感応性(responsiveness)があります。
横軸:主張性(Assertiveness)
横軸は自己主張の強さを示します。やり取りの上で、自ら主張する側か、主張を受け取る側に分かれています。
支配的かどうか?という言葉でも使われることがあります。
縦軸:感応性(Responsiveness)
縦軸は、どのくらい相手に対して反応するか、(感情が動くか)を示しています。感情を表現する表現型か、あまり表に出さないコントロール型に分かれています。
社交性と表現される場合もあります。
ソーシャルスタイル診断の方法
ソーシャルスタイル診断の方法は3つあります。
- コーチ・エィのタイプ分けテストを受ける
- ソーシャルスタイル診断できるコーチの元で受ける
- インターネットの簡易版のテストを受ける
以下で詳しく説明していきます。
コーチ・エィのタイプ分けテストを受ける
コーチ・エィのタイプ分けテストを受けることで、自分が4つのタイプのどこに当てはまるのかがわかります。
また、下記のようなアプリもあります。
いずれも価格は1000円程度です。
結果が各タイプポイントで出るので、いくつかのタイプが当てはまった場合もわかります。
ソーシャルスタイル診断できるコーチの元で受ける
ソーシャルスタイル診断をコーチングとセットで受けられるようにしているコーチもいます。
私のコーチングのメニューの中でも受けられるようにしております。
コーチの元で受けられるメリットとしては、診断結果が文字情報だけでなく、実際の活かし方を知ることができる点です。自分のエピソードなどともリンクすることでより深く、自分、またその周りの人とのコミュニケーションに役立ちます。
インターネットの簡易版テストを受ける
個人でテストを作ってくださっているサイトがいくつかあるようです。
そうしたところから受けてみるのもいいでしょう。
ただし、4つのタイプの1つしか結果が出ない場合が多いです。
多くの人で4つのタイプのうち複数が当てはまる方も多いので、詳しく知りたい方は上記の受け方をおすすめします。
それぞれのタイプを調べて、近いものを選ぶ
ソーシャルスタイルのタイプはだいたい自分のタイプからも推測することができます。
ソーシャルスタイルについての解説を見ながら、多く当てはまりそうなものを選ぶといいでしょう。
しかし、診断テストでは時々、自分でも気づいていない結果が現れることもあります。
細かく知りたい方は、1つ目か2つ目のいずれかの方法で受けることをおすすめします。
ソーシャルスタイル4つのタイプ
先程冒頭でもお伝えしたとおり、ソーシャルスタイルには、4つのタイプがあります。
以下でそれぞれについて解説していきます。
ドライビング
ドライビングの人は、「支配したい」という思いが強い人達です。
自ら行動し、決定権を持ったり、直接的に関わることを好みます。
自分で決めて動きたい人なので、誰かに指示されるのを嫌います。
リーダーシップやコンサルタントで取り仕切るタイプの人がよく当てはまります。
単刀直入に、そして、ロジカルかつシンプルに話をしましょう。
エクスプレッシブ
エクスプレッシブの人は「影響したい」という思いが強い人達です。
自ら自分の感情を表現していくのが得意。色んな感情を表に出します。
熱量があって熱狂的に燃え上がるタイプの人やおしゃべりなタイプの方も多いです。
自分の考えに関する自信が強く、主張もします。
イメージを語り、絵に書くように説明していきましょう。
エミアブル
エミアブルの人は「合意したい」という思いが強い人達です。
周りに合わせたり、人々が平和にまとまることを好み、衝突は苦手です。
周りに合わせすぎると、自分の意思で動けなくなることもあります。
一つ一つ小さなことも確認を取りながらやり取りするといいでしょう。
アナリティカル
アナリティカルの人は、「正しくありたい」という考えを根底にもっている人たちです。
データ分析などが得意なタイプで、客観的に物事をみたり、論理的に組み立てることが得意です。
事実や結果を捉えようとし、曖昧なものはあまり好みません。
研究者やリサーチ系の人に多いタイプです。
順を追って、抜けもれなく話を伝えましょう。
結果の見方
結果はどれか一つ一番強いタイプの結果がでることもありますし、私がコーチングの中で提供しているテストのようにタイプの強い順番に出てくることもあります。
どの人も1つのタイプを持っていると言うよりは、複数のタイプが重なっていたり、自分の所属するコミュニティによって異なるタイプが出ることがおおいです。(これをバランス型ともいいます)
そのため、一つのタイプで診断されても、それ以外のタイプの性質がでることは十分にあります。
私のタイプはこうなんだと、結果に当てはめたり、決めつけたりすることはせず、「どう活かせるか?」を考えていただくといいと思います😊
参考書籍
ソーシャルスタイルについてはインターネットのサイトにもそれぞれ解説があるのですが、やはり詳しく知りたければ書籍を読むというのもいいと思います。
コーチング流タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく
タイプ分けについて分かりやすくまとまっている本です。4種類のタイプについて、表に端的にまとまっていて、それを確認するだけでも参考になると思います。さっくりと理解したい方にオススメです。
インターネットで見るなら
TRACOM The SOCIAL STYLE ModelTM
英語版ではありますが、とてもシンプルに整理されていて読みやすいかなと思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
私のコーチングメニューの中でも、最初のステップで、ソーシャルスタイルのテストを行っています。
クライアントさんは自分のことについて納得したり、職場での対人関係に活かしたりしているようです。私も仕事の中だけでなく普段の生活の中でのやり取りの仕方の中でも参考にしていることがたくさんあります。
自分のタイプを知ることで、どんなこと自分の納得しやすいコミュニケーションの仕方を知ったり、自分があまり好きでない方法の時はどうするかなど、冷静に考える機会にもなると思います。
自分のコミュニケーションの特徴を掴んでより円滑なコミュニケーションを!!